まちづくり集会はどんな感じだった? 7

「さまざまな分野の市民からの質疑応答」がこのプログラムでの趣旨なわけだが、「新庁舎見直しの住民投票を求める会」がここにいて質問するのはちょっと異質な感じだ。
この時「求める会」の席には関係者の他に白井倫啓議員・加藤芳夫議員がいた。
しかし建前から言えば回答側に議員がいるべきなのだ。

これも何回も書いているが、今回の住民投票条例は議会で議決されたものだ。選択肢も議会で話し合われ決まったものだ。選択肢について市民から質疑があれば、その選択肢を決めた議会が回答するのが筋というものだろう。
なのに条例を議決した議員が、自ら作った条例に質問する側にいるこの構図をどう考えたらいいのだろうか・・・?
というか、このおかしさに実行委員会は気づかなかったのか。気づいていながら敢えてこうせざるを得なかったのか。

このおかしさは、議会内で住民投票条例が提案されるまでの経緯や提案された後の経緯を白井議員のブログで眺め、山崎祐一議員が編集、発行人の「新城公論(平成27年3月31日)」を眺めると一応の「答え」が見えてくる。
議会での出来事を我々市民が知る手がかりは議会を傍聴すること、その中継を見ること。後日市のHPで公開される録画を見ること、議事録を読むこと。これが市民の知ることのできる、いわゆる公的な情報と言えるだろうか。
しかしこの情報だけでは・・・

とその続きを書こうとして、念のために市のHPから新城市議会会議録を検索してみたら27年度3月定例会の議事録がアップロードされていた。
『4月の議会報告会ではアップされておらず、まちづくり集会の時ににも確かアップされてなかった。なので住民投票が議決された経緯の公的情報は最近まで無く、それをうかがい知るには白井議員のブログ、山崎議員の「新城公論」を読むしかなかった。それは各議員の私見が大いに反映された二次的な情報しか得られないという状況であり、そこから得られる「答え」はワイドショー的なスキャンダラスなものになりがちで、その「答え」を「真実」として見てよいものか?しかし、公的な情報も議会での答弁であり形式的なものなので、そういう建前的な議論で「真実」は見えてくるのか?』
という感じで書こうとしていたのだけれど、この「27年度3月定例会議事録」、各議員の述べていること、やり取りが割とスリリングでおもしろい。
ここから住民投票条例議決の真実の一面が見えてくるかもしれない。

かなり話が飛んでしまった。これは個人的におもしろく感じたので後でじっくり読んでみよう。


話を戻して、このおかしな構図の中で本来回答側のにいるべき白井議員が質問をした。


・新庁舎見直しの住民投票を求める会

質問に入る前に白井倫啓市議会議員より「求める会の立場」の説明があった。
 ↓
『3月議会直前まで議会は「現計画の見直しはしない、住民投票は認めない」という立場だった。その後市長の仲介があり立場を一変させ「住民投票をやってほしい」となった。
住民投票を決める過程で「選択肢1は行政が、選択肢2は求める会が書くのが当たり前」というところまでいったが、市長・議会が納得しなかった。そして広報を市長が作ることになり、選択肢1も2も市長が書くに至ってしまったが、選択肢1は50億5階建て、選択肢2は30億3階建て、という立場は明らか。という立場から質問します。』


1 投票用紙での選択肢1、2の表記順を投票間近になって変更することはありえるか?

回答 → 条例で順番がきまっているので条例通り施行する。

2 選択肢1は5階建て、選択肢2は3階建てだが、防災拠点としての機能は大丈夫か?

回答 → 新庁舎部分は大丈夫です。

3 選択肢はどちらも行政の責任で出したもの。2は「(行政が)大丈夫(?東庁舎の耐震性、耐用年数のことを言っているのか?)ではない(と言っている)。」そういうものを選択肢として出すのか?

回答 → 選択肢2は東庁舎を使うことになっている。そして東庁舎が地震で壊れれば改修が必要。平成32年以降(合併特例債の期限)は全部市からの税金で賄わなければならない、とさっきから説明している。

4 求める会では「東庁舎は議会・市民スペース、会議室スペースとしての利用を。市役所の基本機能は新庁舎に集中するべきだ」、と考えている。新庁舎のほうが危ない(地震などの災害に対して?)ということはないか?

回答 → 新庁舎が危ないということはない。

5 選択肢2も現状の7つの施設に分散している市役所機能をひとつにまとめるものだ。(選択肢2も)利便性、効率性は現状より上がるはずだが、その見解を。

回答 → 3階建て30億、5階建て50億を問うものではない。新庁舎は何平米になるかはわからない。敷地面積(広報の土地A)は選択肢2のほうが小さい。
(ここでヤジ多くなり、鈴木先生より注意が入る。「客席からのヤジがうるさくて質問が聞こえない。運営に協力してほしい」)
(しかしヤジ止まらず。白井議員の質問中にもヤジが飛ぶ)
(回答途中だが白井議員が意見する)
 ↓
市長は求める会の署名の重みを受け止めると言った。市は5階建て50億を、求める会は3階建て30億をうたっており、この思いを受け止めた(筆者注→ と、求める会は考えている)からこそ住民投票は成立したのだ。


6 市の公共施設白書では今後市の公共施設の維持管理に莫大な費用が掛かることが書かれている。そんな中での新庁舎建設において、選択肢1も2も新庁舎の維持管理費が書かれていないが、新庁舎維持管理費のさらなる上乗せが考えられる中で、財政は大丈夫なのか。

回答 → 白書は現状を示したもの。それを今後どう維持管理していくかを2か年かけて検討していく。現在の新庁舎とは切り離して考えていく。

7 鳳来支所は今後どうするのか?

回答 → 鳳来総合支所は次の総合計画でしっかり位置づけする。今ある機能をそのまま残していく。



ここで時間となって終わっている。
求める会は一貫して「30億3階建て」の立場で、現計画の縮小を求めている。
行政、すなわち市側は現計画推進の立場で、本来なら求める会と市側はお互いが対等な議論をする立場として壇上に立っていなければならないのだな。
それが市民の一つの階層として質問しかできない立場に置かれている。
これが求める会のもっとも不満とするところで、ヤジもその不満の現れなのだ。

実行委員会の解釈でこのようになってしまったわけで、それも理解はできる。

しかし市民は比較を求めていたことは、この前の質問者の質問からわかる。
事前にそれを察知することは不可能だったと思うが、市民にとってのわかりやすさを求めるのなら2者の討論形式がよかったのではないかと、後の祭りではあるがそう思ってしまう。


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2015年09月05日 Posted byけま at 11:17 │Comments(0)まちづくり集会

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