新城市長選挙を振り返ってみる

今週日曜日(諸説ありますが一週間の始まりは日曜日、らしいですナ)の10月29日、新城市長・市議会議員選挙が行われた。
当選した方も、残念な結果に終わった方も、共々お疲れ様でした。
市民の負託を受け、それに応えるべく職務に邁進してほしいものですが、白紙委任ではないことも重々胸の内に留めておいていただきたいですね。

新城市長選挙を振り返ってみる 新城市長選挙を振り返ってみる



今回の選挙では公開政策討論会について多く触れたので、市長選挙の方に強く関心を持っていました。
この画像は全く不慣れな表計算ソフトをどうにか使って、その関心の高かった市長選挙の結果を表してみたものです。

有権者数の推移を見てください。
人口減少が懸念されている新城市の実情を反映させていることがわかります。

有権者数が着実に減少している。

今回の選挙は18歳以上にも選挙権がありました。つまり今までの有権者層に18歳の一部と19歳のみなさんが加わったことになります。
それでも有権者数は減っている。
高齢者の方がお亡くなりになっていることを考えてみても、やはり人口の流出や子ども世代の少なさが有権者減少=人口減少を表していると言えるでしょう。

有権者数自体は減少していますが、各地区の有権者数に対する割合を見てみるとまた気づくことがあります。

新城地区の割合が伸びている。

新城地区の有権者の割合は、
 2005年には総有権者数の67.24%
 2009年には68.33%
 2013年には69.38%
 2017年には70.53%
着実に伸びています。
これは逆に言えば鳳来地区、作手地区の有権者数の減少が著しいことを表していることになると思います。
特に鳳来地区は毎回約1ポイントずつほどの減少。作手地区も減少はしていますが鳳来地区ほどではない感じ。

選挙的にこの有権者数、有権者の割合を見てみると、

新城地区7割、鳳来作手3割ぐらい?

選挙的な視点で見てみると、まず穂積氏は地元としては鳳来地区。山本氏、白井氏は新城地区と言っていいと思います。
穂積氏は鳳来地区の票を押さえたとしても当選のための過半数には全く足りないわけです。
選挙的な利害を考えてみると、田舎の新城市と言っても市内の山間地区と言えば鳳来・作手地区。いくらか都会的地区と言えば新城地区、と分けることもできると思います。
穂積氏が鳳来地区を地盤とするならば、同じく山間地区の作手地区も利害が一致しやすいものと思われます。
で、穂積氏が鳳来・作手地区の票を押さえやすいと考えても、それでも票数的には3割ほどしか押さえられない。
過半数を取るためには、穂積氏はどうにかして新城地区の票を獲りに行かねばならないと言えるでしょうか。

そう考えると、新城地区を地盤とする山本氏と白井氏は、仮に新城地区を二人でしっかり押さえてその上で両氏の得票力が拮抗すれば7割の半分、3割5分ほどの票をお互いが期待することができると言えるでしょうか。
と、なれば山本氏、白井氏は鳳来・作手地区の票を獲りに行かなくても、山間地区3割の穂積氏よりもわずかな差ですが勝つことができる。

という感じのシナリオを想像することができますね。いつもの妄想ですが(笑。

私は以前に「新城市でも選挙ありますよ」でも同じように選挙のシナリオを妄想したことがあります。
こちらでは過去の選挙結果から、穂積氏が1万4千票ほどの固定票を常に持っている、という想定で妄想したもので、これだと実際の投票率70%くらいと想定し、残り30%の浮動票を山本白井で分けても勝てない、という結果を妄想しています。

このブログでの妄想は「穂積氏が次回選挙で1万4千票ほどの固定票を取ることを想定しない」場合と言えるでしょうか。
つまり、1)「穂積陣営が甘い推測を捨てて厳しい選挙戦を想定した」時に、取りうる戦術は何か?

「新城市でも選挙ありますよ」での妄想は「穂積氏が次回選挙で1万4千票ほどの固定票を取ることを想定した」場合。
つまり、2)「山本・白井陣営が甘い推測を捨てて厳しい選挙戦を想定した」時に、取りうる戦術は何か?

という対比ができるかもしれません。

ま、結果は出てるわけですから、何事も全て結果(穂積氏勝利)にこじつけるような書き方になってしまうでしょうが(笑、ご勘弁を。

マニフェストでは山本氏は産廃問題を前面に出していましたが、果たして関係する八名地区の票を取れたのでしょうか? 玄関バスは高齢者・買い物難民向けの政策。多分高齢化率の高い山間地区向けの政策と言えますが、穂積氏地盤の山間地区に届いたでしょうか?
白井氏は新城市の自然・観光資源の活用を訴えていましたが、バイオマス発電に関係する山林を持つ鳳来作手地区、観光資源として湯谷温泉や長篠城を持つ鳳来地区、などを鑑みると政策的には山間地区を優遇することが窺えますが、果たしてその訴えは穂積氏地盤の山間地区に届いたのでしょうか?
穂積氏は「3000人の雇用創出」を掲げました。段階的な雇用創出なようで、まず最初の4年間に1000人を目標としていました。その内訳の一番多いものは「製造・建設業400人」「物流・観光を含めたサービス業300人」の2つ。これで700人。
想像されるのは新東名IC近くの企業団地に進出してくれる企業目当てな感はありますね。つまり新城地区への票獲得のアピールにも見えますが、その意図は届いたのでしょうか?

各候補者が各地区でどれほど票を取ったのかがわかれば以上に挙げたこともわかるのですが、これは前のブログでも書いたように「わからない」です。
残念ですね(笑。

しかし、よく見てみると山本氏は新城地区では産廃問題で、鳳来・作手地区へは玄関バスと、バランスよく政策を訴えているように見えます。
白井氏は新城市全体の事を考えてのことなのでしょうが、どちらかと言えば鳳来・作手地区への利益誘導の政策に見えます。白井氏は政策中心の選挙運動を行っていたので、選挙地盤という戦い方は取らなかったのでしょう。結果的に地元新城地区に力を入れなかったように思えます。
穂積氏は政策的には新城地区向けの利益誘導を図ったように感じます。私の妄想に従えば(笑、新城地区の票を獲りに行ったと言えるでしょうか。


で、結果としては穂積氏も選挙後に言っていたように、各陣営が元々持っていた固定票をほぼ確保して勝負がついたカタチになりました。

今回の選挙では公開政策討論会がひとつの目玉だったわけですが、投票率は落ちているし(雨のせいもありますがw)、各陣営の得票数や割合も前回の3候補者による選挙の時と変わらないことを鑑みれば、公開政策討論会の効果はあまり無かったと言っていいでしょう。

先ほどは政策を工夫することで、各地区に向けた票獲得のためのアピールになるのではないか、という感じで書いてみましたが、結局政策の違いが票数獲得の大きな要因にはならないこともわかりました。

では前回と同じくらいの票数を固めることができたその要因は何だったのでしょう?
つまるところ、選挙期間前の戸別訪問とか後援会組織作り、支援者中心のミニ集会を数多く実施。
これらをマメに行った候補者が勝ったんですかね?

なかなか旧態依然の選挙戦から脱却はできないものですなぁ。


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2017年11月04日 Posted byけま at 03:03 │Comments(0)市長選挙

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