ホントか? 2

新城市と言う地域からはお金が出たり入ったりしている。
「新城市さん」の持っているひとつの財布から「新城市さん」の持っているお金が出たり入ったりしている、と擬人化してみてもいいだろう。

前回の年金の話で言えば、出ていくお金は若者の負担する「国民年金保険料」、入ってくるお金はお年寄りの受け取る「年金」と言っていいだろう。
そして同じく前回の例で言えば、
「東京都さんに比べて新城市さんの財布的には、出ていく金額より入ってくる金額が多い」
と言える。

これをもって市長は
「高齢化率と若者負担という面に絞って見た場合は、高齢化率の高い地域の若者の社会的負担は、それの低い地域の若者の社会的負担よりも相対的に軽くなるのだ、ということが分かります」
と言っているわけだ。

これは だ ま さ れ る だろう。

市長ともなれば「新城市という地域の歳出歳入」と言う視点でお金の流れを見るはずだ。
「新城市さん」という「一つの財布」でのお金の出入り。市長の視点はまさしくこれだ。
この視点でならば、年金のシステムにおいては入ってくる金額が多いことは事実だろう。(あくまで高齢化率の低い地域と比べてだけど)

しかし、例えば私「けま」個人の視点で、その財布具合を考えてみればどうだろうか。
「国民年金保険料」として出したお金は「けま」の財布に「年金」として入ってくるのだろうか?
そんなことは決してなく、「年金」は「けま」でない別のお年寄りの財布に入るだけのことだ。


どなたか、もし地域によって「国民年金保険料」に差がある、とか、「国民年金保険料」を支払ったあと何らかの還付金があります、という話があるならぜひ教えてください。


というわけで、年金のシステムにおいては出ていくだけの財布(若者)と、入ってくるだけの財布(お年寄り)の2種類が存在していて、両者は一致していない。

市長は「新城市の財布」という「一つの財布」でのお金の出入りで「年金」を捉えている。
しかし新城市という「地域」には、「国民年金保険料」を支出する「若者財布」と「年金」を受け取る「年寄り財布」の2種類がある。
そしてその財布の中身は『そのまま』では交わることは無い。
「新城市」の1つの財布視点で、地域における原則的に交わらない2つの財布を関連付けるような書き方をするものだからおかしな話になる。

市長のブログでは
「高齢化が不均等に進む限り(そして均等に進むことはありえません)、東京モデルよりも新城モデルの方が若者にとってはより社会的余裕のある生活ができることになります。」
と書いてあるけれども、
新城市に引っ越してくれば、若者は「国民年金保険料」は安くすみますよ~、だから社会的余裕のある生活が送れますよ~、というおいしい話では決してないのだ。


というわけで、市長のブログはかなり誤解を生みやすい内容なのだけれども、全くウソでもないところもある。
次はそのことを書いてみよう。
私の過去のブログでもこれに関したことに少し触れています。
http://kemanomake.dosugoi.net/e806379.html



2016年03月25日 Posted byけま at 11:05 │Comments(0)

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