産廃会議に参加した

10月25日田原市渥美文化会館にて「第11回 産廃から環境を守る東三河連絡会」に参加してきた。

新城で定期的に開催されている産廃会議になかなか都合がつかず出られなかったが、旧渥美町で開かれたこの会には、この日自分のいた場所や時刻など条件が奇跡的にうまく重なって参加することができた。
それにしても渥美文化会館は新城からは遠い(笑)。 毎月これに参加している山本拓哉氏はホントえらい。

参加人数は私を入れて18名。正面4人が山本氏はじめ新城から来た人のようで、田原、豊橋の人は12名のようだった。
残りの2人は私と、後ろでレジュメなどをまとめててくれてた方。

意外に参加人数が少ない印象だが、まだ一般市民の感覚として切迫したものがないのだろうか。
農業、畜産の盛んなところでもあるので、いわゆる「臭い」に関してはなかなかクローズアップされにくいところがある、と会議で言っていたような気がする。

各地区の進展報告が新城から順に田原、豊橋、と続いた。
どの地域の方も産廃関連のことを多岐に渡り勉強または情報収集されており、とても参考になった。

例えば業者の名前も、私は新城に進出しようとしている「タナカ興業」しか知らなかったが、他に色々あることを知った。考えてみれば他にも同業の会社があってもおかしくないわけで、そんなことに思い至らないほど勉強不足だった。

様々な意見の中で私が一番印象に残ったのは、田原の女性の方が言ったこの言葉。
「新城で発生する下水汚泥はどこに行っているのでしょうか?」

決して「新城のモノは新城で処理しろ、田原に持ってくるな」というニュアンスで発せられたものではなかった。
つまり、生活するうえで発生してしまう「下水汚泥」はどう処理するのが適切なのか?という根本的な問い、なのだ。

山本氏は「それは行政側の問題、行政の処理の仕方が悪く住民に被害が及んでいる」と、バサッと一刀両断だ。
先ほどの根本的なことを市民に考えさせるのも行政側のひとつの手段だとも言った。
下水汚泥が出てしまうのは市民の側にも責任があるのだから、ある程度ガマンしてもらわないと・・・的な言い回しで市民の口を封じるらしい。

私たちが衛生的な生活を送るには下水道の整備は必要で、その結果として下水汚泥が発生するのは「必要悪」だ。
その処理にもしコストがかかるのなら、私たちは衛生的な生活との引き換えにそのコストを引き受けなければならないのが筋だろう。
そのコストはつまり「増税」というカタチで私たちにのしかかってくる。
市民としては、そこを避けていてはいけないのではないか?
なぜ行政はそいう説明をしないのだろう?「下水処理にはおカネがかかります、ご理解ください」と。

コストをかけずに処理をすることが優秀な行政の在り方なのか?
そのために悪徳業者がはびこる余地を残してしまい、結果的に市民が迷惑を被ってしまっては行政の取った「コストをかけない手段」はなんだったのかという話にならないか?

喫緊の問題としては「タナカ興業」のような業者が操業することを断固拒否しなくてはならない。
そのための運動、活動を続けていく必要があるだろう。
と同時に、私たちの生活の中での「下水処理行政の在り方」も勉強して、根本的に「下水汚泥」を極力発生させない、環境に負荷を与えない処理方法などを考えていく必要もあるのではないか。

そんなことを考えさせられた会議だった。  

2015年10月29日 Posted by けま at 02:56Comments(2)産廃問題