「除名」と「解職請求」

「懲罰動議」で検索すると色々なことがわかる。

この前、新城市では市長のリコールのための署名が行われたが、「リコール」つまり「解職請求」は地方議員に対しても可能だ。

その際の手順だが簡単に書くと、
1・有権者の3分の1以上の署名が必要
2・住民投票に至れば、有効投票総数の過半数が賛成でその議員は失職する。

新城市なら有権者は4万人くらいだから、1万2千ほどの署名を集めるところから始めなくてはならない。
結果に有無を言わせないためには有権者の半数は投票してほしい、となると1万人は賛成してほしいところだ。
新城市ではすでに新庁舎建設計画の見直しで経験済みの事なので、この大変さというものはよくわかってもらえるはずだろう。

なぜこんなことを今さら触れるかというと、今回の「懲罰動議」の懲罰の種類に「除名」というものがあるからだ。
この「除名」、要するに「市議会議員ではなくなる」ということで、先に挙げた解職請求による失職と同じ意味だ。

仮に今回の懲罰特別委員会で処分が「除名」と決まったとする。

「除名」には「議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。」と地方自治法で定められており、新城市なら全員出席(現在17名、浅尾議員は対象外だろうから16名だろうか。委員長も除外なら15名か。)ならば12人の同意があれば浅尾議員を辞めさせることができる。

新城市議会の現状を知る人ならば、「こんな簡単に議員を辞めさせることができる」ことに驚かれるのではなかろうか。
新城市議会において、議案に対していつも疑問を表し、議論を深めようとする議員は誰か、思い浮かべてみよう。
そして議案に口を挟まず、只々賛成に手を挙げる議員は誰か、思い浮かべてみよう。

議論を尽くし、議案がどんなに理不尽で筋道が通っていないことが明白になっても、多数決にかかれば「白を黒と言うこととする」というオカシナことが議会の決定になってしまうのだ。
これが多数決の怖さ、暴力といってもイイだろう。
少数の意見が尊重されなければ多数決なんてホント「暴力」なのだ。
そして、今の新城市議会はまさにコレだ。
議会の決定は結局は「多数決」になってしまう事を考えれば、「懲罰動議」が議案になってしまう、なってしまった恐ろしさに慄然とする。

そんな恐ろしい「刃物」を簡単に振り上げてしまった議会運営委員会は、ホント一体何を考えてそんなことをしたのか、全く理解不能、考えの浅さに驚くばかりだ。
そこには理性などは感じられず、只々感情のままに動く、あまりに子どもっぽい行動原理しか見えない。

今日の懲罰特別委員会はどうなるのか。議会運営委員会の5名を除いた他の議員の良心、分別に期待するほかないのだろうか。


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2016年12月15日 Posted byけま at 07:07 │Comments(0)新城市議会

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