政倫審を傍聴してきた

昨日ちょうど仕事が休みで、かねてから傍聴したいと思っていた山崎議員の政倫審へ行ってきた。

今回で17回目の開催となる。
以前に行われた政倫審の中でも格段に長く時間を費やしている。

長い時間をかけていることに対しての市民からの批判もあるようだが、この件に対して継続的に注視をして情報を提供してくれているおなじみ「パパゲーノの夢(パパパさん)」のブログでは、丁寧な対応をしていると好意的な見方だ。

今までの政倫審の経緯はこのパパパさんのブログで追っていたけれども、今回現場を目の当たりにして、割とスッキリしているなという印象を持った。
各議員が今までの話し合いの内容をしっかり理解している中で話し合いが進行しているな、と感じた。
市議会の姿と言えば、エイヤッ!とばかりに各議員の意見や考えをよく吟味せずに多数決で即決してしまう印象で、自分の考えをよく理解してもらえていない議員さんのくすぶった感が垣間見えたものだが、今回の政倫審での各議員さんの姿も時間をかけた結果であるなら意味はあったというものだ。

現在の政倫審での議論の中心は、山崎議員に対してどのような審査結果を出すか、ということのようだ。

ひとつは「辞職勧告」。
もうひとつは「正式な謝罪を求める(させる)」。

これは政倫審が自らの裁量で自由に措置を決めているのではない。
審査結果による措置は、具体的に条例の中で決められている。

この措置を具体的に提示しているのは新城市議会議員政治倫理条例の第9条で、

(1) この条例の規定を遵守させるための報告書の発行
(2) 議会内での役職辞任の勧告
(3) 議員辞職の勧告
(4) その他必要と認める措置 

の4つが決められている。

この4つの中に「謝罪を求める(させる)」という具体的な措置は書かれていないが、4のその他必要と認める措置に含まれるものだというのが今回の政倫審の考えだ。

この辞職勧告か、謝罪か、で話し合いが行われていてなかなかまとまらないでいるワケだが、まとまらないながらも話し合いの印象としてスッキリしている感がある。
それは最初にも書いたように今回の政倫審で長時間かけてこの件を調査したからこそで、根底として山崎議員の今回の不正に対しては、各議員が「非である」という点で一致しているからだろう。

この「非である」という点について。
これは山崎議員のしでかした事件はもちろんなのだが、当人の議員としての資質、人間性に対しても「非である」という認識が各議員にもあるようなのだ。

3月議会において「山崎祐一議員に対し、新聞報道にかかる市民への説明責任と陳謝を求める決議」なるものが可決されて(議会しんしろNo54を見て下され)、一応議会内では彼は謝った。
しかしこの件、本当に反省しているのならば市民の前で謝罪するべきだという考えが多い中、一向にその様子がうかがえない。
そして決議においての山崎議員の陳謝も「仕組みが悪い」とか、他へ責任転嫁する発言がありとても反省している様子が見られない。
彼が今回の件で関わった団体への謝罪もしていないという。
これらの山崎議員の態度や行動が、その他の議員さんにとって議員としての資質に問題あり、と見られているようなのだ。

このように、議員としての資質が「非である」からこそ辞職勧告を求める、のもなるほどと思える。
一方謝罪を求めるのも、まずはしでかした事が「非である」のだから謝るのが筋であろう、と言うのもまぁわかる。
しかしここでおもしろいのは、謝罪を求める議員さんも以上に挙げた山崎議員の態度や行動から推察して、本気で反省などはしないだろう、とも思っているところだ。(実際、今回傍聴していてそういう発言を聞いたw)

9条による措置には軽重があるように見受けられる。
一番重いのは、もちろん「辞職勧告」だ。
しかしこれは「勧告」であって、本当に辞めさせる力は持っていない。
とは言いながら、政倫審としては事の重大さをアピールするには「辞職勧告」は有効だろうと思われる。

一方「謝罪」は、辞職を求めるよりは一段軽い感じがする。
謝罪を求める議員さんの言い分だと、場所を設定したり、謝罪文を作成したり、などなど手取り足取り山崎議員の謝罪のためのお世話をするようなのだ。
政倫審としては、しっかりと「謝罪しましたっ!」という姿を市民など対外的に、“はっきり”と“文句が出ないよう”に認識してもらえるようにする意図があるのだろう。

しかしこれ、議員としての資質にはっきりダメ出ししているのは「辞職勧告」案のように見えるのだが、「謝罪」案は山崎議員を人間としてはっきりダメ出ししているように見えるよ。

新聞記者から市議会議員になった社会的にも認められる人間が、謝罪の場所とか謝罪文を他人から用意させられるってどうだろうね?
山崎議員をマトモな社会人として見ていないから、でしょ?

「辞職勧告」案は勧告するだけで、その後の具体的な行動を山崎議員には求めていない。
しかし辞職勧告を出されたら山崎議員としてはなんらかのアクションを見せるべきで、それは別に謝罪しなくてもいいし、謝罪や反省の態度を見せて議員としての今後の働きで名誉を回復してみせるのもよい。
そういう社会人としてのマトモな対応を期待しているのが「辞職勧告」案とも言える。
これはある意味、山崎議員を人間または社会人としては見ているともいえるのではないか。

「謝罪」案は一段軽い措置という点で山崎議員に温情をかけているようで、その実、彼をマトモな人間扱いしていないという点で、こりゃぁかなりヒドイ(笑。

私は毅然とした辞職勧告がよいかなぁと思っていたが、こんな風に考えると手取り足取り謝罪案も皮肉が効いててよいと思うようになった。
気がかりなのは、こういう皮肉、嫌味が山崎議員に、そして市民に届くかどうか、だ。


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2018年10月18日 Posted byけま at 10:49 │Comments(0)山崎市議交付金不適切申請

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